みなさん、毎日のごはんを「お腹を満たすだけの作業」にしていませんか?
知っているとは思いますが、、
私たちのカラダは、食べたものでつくられていますよね!
はい、、というわけで
前回は温める食材と冷やす食材に分ける【五性】について書きましたが
今回は 酸・苦・甘・辛・鹹 の「五味(ごみ)」についてです。
そして、この五つの味が 五臓(肝・心・脾・肺・腎) にちょこっとずつ効いてくれるんですね。
もちろん、薬みたいにドカン!と効くわけじゃありませんが
味がカラダの調子を整えてくれるなんて、素敵じゃないですか?(笑)
「なんかだるい」「病院行くほどじゃないけど不調っぽい」
そんな未病の段階でセルフケアできるのが、東洋医学のいいところです!
五味と五臓の関係を簡単に
| 五味 | 作用する臓腑 | こんな時に助けてくれる |
|---|---|---|
| 酸 | 肝 | イライラ、緊張、汗や尿の出すぎ |
| 苦 | 心 | 興奮、熱っぽさ、便秘・むくみ |
| 甘 | 脾 | 疲れ、胃腸の弱り、筋肉のこわばり |
| 辛 | 肺 | 巡りの悪さ、風邪の初期、冷え |
| 鹹(しおからい) | 腎 | 代謝の低下、便秘、しこり・硬さ |
酸味|イライラや不安をスッと落ち着かせる“キュッと味”

酸っぱいものを食べると、カラダがキュッと引き締まった感じがしませんか?
あれ、実はちゃんと理由があって 肝の働きを調整してくれる からなんです。
● こんな効果があります
- 自律神経を整えてイライラを鎮める
- 汗っかき・多汗の改善
- 頻尿や下痢などの排泄トラブルを調整
- 筋肉や内臓を引き締めて“出すぎ問題”を防ぐ
● 気をつけたいこと
摂りすぎると 胃が弱ったり、筋肉が萎縮するのでほどほどに。
● 食材
レモン、ミカン、イチゴ、梅、黒酢など
苦味|心のざわつきをしずめてくれる“クールダウン味”

夏にゴーヤを食べると、なんだかスッキリしますよね。
苦味は 心の興奮や体の熱をしずめる名人 なんです。
● こんな効果
- 精神の高ぶりを鎮める
- 熱を冷まし、炎症を抑える
- 尿・便の出を整えてむくみを改善
- 咳、喘息にも良いとされる
● 食材
ゴーヤ、緑茶、らっきょう、セロリ、春菊、アスパラガスなど
甘味|疲れた時の“ほっと一息サポーター”

「甘いものって癒やされる〜」
これはただの気のせいじゃなくて、ちゃんと 脾(消化器)を補う働き があるからなんです。
● 主な効果
- 胃腸を元気にして消化を助ける
- 疲労回復、滋養強壮
- 筋肉のこわばりや痛みをゆるめる
● 注意点
甘味の摂りすぎは 胃腸を弱らせる ので控えめに。
● 食材
鶏肉、ニンジン、山芋(イモ類)、かぼちゃ、お米など
辛味|巡りをよくしてくれる“ぽかぽか味”

ショウガを食べると体が温かくなるあの感じ。
辛味は 気・血の巡りを良くしてくれる ので、冷えや風邪の初期に大活躍。
● 効果
- 巡り改善でカラダがぽかぽか
- 発汗を助けて寒気を追い出す
- 風邪初期(くしゃみ・鼻水・ゾクッ)に◎
● 食材
ネギ、玉ねぎ、ショウガ、大根、スパイス類、ニラ、ピーマンなど
鹹味|腎をサポートする“じんわり底支え味”

しおからい味は、カラダの奥のほう
腎(泌尿器・生殖系) をしっかり支えてくれます。
● 主な効果
- 代謝を上げる
- しこりや硬い部分をやわらげる
- 便秘の改善
- 下半身の元気をサポート
● 食材
カキ、ワカメ、昆布、シジミ、タラ、味噌など
五味を暮らしに取り入れるちょっとしたコツ
「よし、今日から全部の味を完璧に!」
……なんて頑張らなくて大丈夫です。
✓ 同じ味に偏らない
✓ 季節で味をプラス
✓ できれば自然な味の食材を
✓ 不調が出る前からちょこっと意識する
たったこれだけ。
● 季節のおすすめ
- 春 → 酸味(自律神経が乱れやすい季節)
- 夏 → 苦味(余分な熱と湿を出す)
- 秋 → 辛味(乾燥に負けない肺ケア)
- 冬 → 鹹味(腎を守って冷え対策)
さいごに|五味は“ゆるく続けるセルフケア”
五味の食養生って、特別なことをするわけじゃなくて、
いつものごはんにちょっと意識をプラスするだけ。
「なんか疲れやすいな」
「最近イライラするかも」
「風邪っぽい気がする…」
そんな体の小さなつぶやきを見逃さず、
五味でふわっと整えていくと、季節や環境の変化に負けにくい体へ近づきます。
無理せず、できるところから。
あなたの“今日の一口”が、明日の体をつくります。

